【裁判報告】つらかったパワハラの事実をしっかり証言しました (2025/11/28)

裁判

=被告側証人尋問、原告本人尋問=

 2025年11月28日に裁判があり、被告側証人として千船病院の元看護部長の尋問、原告(被害者)の本人尋問が行われました。裁判には関東や北陸など遠方からも含め、パワハラやセクハラを受けて闘っている何人もの仲間、過労死家族の方など、40人もの方々が傍聴に駆けつけてくれました。前回、法廷に入りきれない方が多数でたので、大法廷での開催を強く要請していましたが、裁判所は小法廷に固執して、今回も傍聴できなかった方が多数出ました。私たちは、裁判を傍聴する権利という民主主義の根幹にかかわる権利を侵害する、大阪地裁第五民事部対して強く抗議していきます。

被告側元看護部長の尋問

 被害者が、退職勧奨としか受け取れない発言をした元看護部長は、被害者が受けた、心を壊して休職せざるを得ないほどのパワハラを、対等な者同士の「人間関係の問題」として理解していたと一貫して主張しました。原告(被害者)側弁護士の「挨拶も一度も返さず無視したり、黙ってリーダーを外したり、精神疾患の診断書の受け取りを拒否したり……こうしたことをパワハラとは思わなかったのか」という追及にも「(加害者も被害者も)両者が苦しんでいるのでハラスメントとは思わなかった」と答えました。
 しかし、加害者と長く仕事し、常に職場の状況を加害者から報告されていた元看護部長は、原告(被害者)の耳の疾患も以前から認識していたこと、にもかかわらず、耳に装着するインカムが必須という、障害のためにできない仕事につくよう強制した加害者の行為をとがめなかったことも明らかになりました。
 元看護部長は、千船病院の中でハラスメントの訴えに対応する責任者でしたが、尋問を通して、原告(被害者)の側ではなく、実質的には加害者の側に立っていたことがますます明らかになったと、私たちは考えています。

原告(被害者)の本人尋問

 原告は、3か月かかってA4版88ページもの陳述書を提出しましたが、加害者と愛仁会から受けてきたパワハラの記憶を思い出す作業は、大変つらくて時間のかかる作業だったが、内容には間違いがないと、しっかりと答えました。
 2018年4月に加害者が上司として着任して以降、出勤時も退勤時も仕事中も、挨拶しても一度も挨拶を返されず無視され続けたこと、黙ってリーダーから外され、3年目から皆がするリーダーを、勤続10年の自分ができないと皆から見られてどれだけ恥ずかしかったか、そんな仕打ちをする上司がいることに驚いたしショックだったこと、次は何をされるのかと恐ろしくなったこと、耳に疾患があるためインカムをつける仕事はできないという申告をしているにも関わらず拒否されたこと、一度も経験のない仕事を、朝、いきなり命じられて、患者さんを危険にさらしながら、隠れてマニュアルを見ながら仕事をしたときの動揺……。20分ではとても話せない、数々の仕打ちの一端を原告はしっかりと述べました。
 そして、「あなたのためを思って」とか「心から回復を願う」と口では言いながら、実際には、加害者の肩をもって処分もせず、原告(被害者)を職場から排除しようとした愛仁会に対して、ハラスメント規定にも、職員に配布されるカードにも「ひとりで悩まず、まずご相談ください。」「相談した事により不利益な扱いを受ける事はありません。」と書かれている。その通りの対応をして、加害者に真剣に働きかけてくれていたら、それだけで解決したと思う、愛仁会が「すべて認めていく」と言っていたことについて、私(原告)が真実を主張していることを知りながら、なぜ言ってないことにして裁判まで迫ったのか、と述べました。
 反対尋問の中で、被告(愛仁会)側の弁護士は、原告(被害者)が看護研究のリーダーを辞退したことをことさら問題にしようとしましたが、原告(被害者)は、通常の仕事すら、人手が足らず戦場のように忙しいなかで、家まで持ち帰り、膨大な無賃労働が必要な看護研究はとてもできないと考えたと、きちんと実態を述べました。看護研究が膨大な無賃労働で行われているという原告(被害者)の証言に対して、被告(愛仁会)側はまったく反論できませんでした。今回の尋問を通して、体を壊すほどの無賃労働を原告(被害者)が断ったことが、パワハラの背景にあるという私たちの主張の正しさが、ますます明らかになったと考えています。

3月には判決へ

 次回裁判(2月13日)で、原告(被害者)は最終準備書面を提出して、3月27日には判決が出される予定です。
 経営者は、弱い立場にある従業員に配慮して、パワハラの訴えには、従業員が最大限、安心して働く環境を守る義務を負っています。だからこそ被告(愛仁会)も立派なハラスメント規定で「職員は、相談したことのためにいかなる不利益も受けない」と書いているのです。そうした経営者が、被害者の立場に立たず、加害者側にたって被害者の訴えを押さえつけようとする行為は重大な安全配慮義務違反です。
 私たちは、大阪地方裁判所が、1年近いパワハラで心の病を発症して休職した原告(被害者)の訴えを認め、被告(愛仁会)の経営者としての責任を明確にする判決を下すことを求めて頑張ります。

●裁判の日程

・2026年2月13日(金)13:30~14:00
  大阪地裁708号法廷
・2026年3月27日(予定)
  判決

●公正判決を求めるオンライン署名

 2025年12月3日現在  12,797筆
 オンライン署名継続中です。一人でも多くの署名をお願いします。

あなたの声がチカラになります
病院内でのパワハラをやめさせてください = 愛仁会千船病院パワハラ裁判での公正な判決を求めます =