原告からの訴え

2023年6月21日 
島本有紀子(仮名)

『病院の隠蔽体質』とは一時期よく聞いた話ですが、私は自分の所属している病院がほんとうに事実を握り潰すとまでは思っていませんでした。

 私に限らず、さんざんやらされてきたタダ働きを、裁判の場ですら「存在しない」と言い切るとは思っていませんでした。

 私は2018年ごろ、現場のリーダーである上司(女性看護師)から、約9ヶ月にわたり、業務の指示を一切しない、相談しても無言で立ち去る、電話にも出ないなど数々な仕事の妨害行為を受け、精神疾患の診断で休職になりました。

 当時はわかりませんでしたが、どうやら膨大なタダ働きが必要な仕事を断ったことがきっかけのようです。

 その後も被害は続きました。愛仁会のハラスメント相談窓口に行き、看護師の理事(当時)から「私も○○医師と犬猿の仲なんです」と言われたり、加害者と直接面談するよう言われたり、パワハラと認定しても、被害者に知らされることもないと知っていたら、相談などしませんでした。私が相談したのは「ひとりで悩まず、まずご相談ください」と愛仁会が宣伝していたからです。

 自分の身の危うさに怯えながら、必死に対応を懇願すると、相談窓口で看護師の理事とともに対応していた人事部長から「法人がすべて認めるので、おそらく労災認定される」「労災認定されなくても直近3ヶ月ぶんの給料の平均を法人が支払う」と労災を申請するよう言われました。

 しかし実際申請してみると、精神障害全体では、自殺(未遂含む)以外の私に当てはまる項目の認定率は、約3%に過ぎませんでした。さらには上記人事部長の発言も、「そんな発言の事実はない」と握り潰し、「労災が不認定なのだから、職場は関係ない」「パワハラは1回の無視だけ」「これ以上やりたいなら裁判しかない」と言われ、恐怖しかありませんでした。

 私は、裁判で愛仁会が資料提出を拒否しても、問題とはならないことも知りませんでした。

 それでも、現実に起こったことを揉み消されないために、被害を拡大させないために行動を起こしています。愛仁会の内部規則には「ハラスメントを相談したことによって、いかなる不利益も受けない」と明記してあります。規則どおり、私が受けた不利益を回復してもらいたいと思っています。

 沈黙こそが最大の敵だと知りました。どうぞご支援、ご協力をお願い申し上げます。