たたかいの記録 (2013/11~2024/7)

2013年

11/3 ケアワーカーズユニオン山紀会分会結成

就業規則や賃金規定はあってないようなもの、パワハラ・セクハラが横行、虐待事件が起こっても調査も聞き取りもせず何人かに自宅待機…、そんな職場を変えたいと、やまき介護すてーしょん(デイサービス・訪問介護・グループホーム)を中心に組合結成。
結成直後、法人内の病院・介護事業部とすてーしょんとの間で、看護師の交代要員や宿直などの融通が断たれ、介護事業部内の交流事業・会議・広報紙がなくなる。独立採算が宣言されて、すてーしょんに施設長ポストを新設して本部介護事業部長が就任する

11/26 第1回団体交渉

事前協議約款を締結。掲示板の設置を確認

2014年

(法人代理人弁護士が交代。介護事業部長兼施設長が退職。新たに就任した施設長代理が組合員の背面監視やパワハラを行うとともに非正規雇用職員の雇止めを画策して、後に法人は謝罪する)

2015年

(交渉委員となった有料老人ホームはるか職員の施設長補佐就任をめぐって対立。労働委員会あっせんで辞令は凍結される。法人代理人弁護士が辞任、交代)

5/  「安心できる介護を!懇談会」結成

おおさかユニオンネットワーク7労組の呼びかけ

2016年

(法人は、介護職を拒否する事務職労働者をすてーしょんに強制的に異動。怒りの矛先がすてーしょん科長と組合に向けられて、職場は大荒れ)

11/  介護・福祉総がかり行動結成

2017年

病院分会結成。介護事業部分会を合わせて山紀会支部となる。西成事業所交流会をスタート。不誠実団交が繰り返され、大阪府労働委員会への救済申し立てに踏み切る)

6/27 2017・30号事件救済申し立て(団交拒否)

施設長配置、会議からの排除についての団交拒否

2018年

(病院ヘルパーの資格手当差別や低賃金、第一病院と第三病院の看護師夜勤手当の差額などをめぐって交渉するが、法人は、病院での組合影響力拡大を恐れて、約束した調査をしない、答える必要がないなど、不誠実な対応に終始)

1/19 2018・5号事件救済申し立て(不誠実団交)

介護資格手当差額是正、年末一時金、理事長の不参加についての団交

6/29 2018・40号事件救済申し立て(不誠実団交)

第一病院と第三病院の夜勤手当差額を求める団交

10/9 実効確保の申立て

労働委員会で証人に立った病院ヘルパーに対し、法人が証言を理由に不利益変更をおこなったため、実効確保の措置申立をおこなう

10/24 不利益変更をやめるよう労働委員会の勧告出る

労働委員会での証言を理由にした不利益変更をやめるよう勧告が出る。不利益変更は撤回されたが、病院分会からの大量脱退が起こる

2019年

(申し立てていたすべての事件について救済命令が出る)

9/19  2017・30号事件で一部救済命令

団体交渉拒否は不当労働行為にあたると認定。施設長の配置と会議からの排除については認定されず

9/19  2018・5号事件ですべて救済命令

介護資格手当差額是正、年末一時金、理事長出席をめぐる団体交渉への対応は不誠実と認定。組合は、理事長の団交欠席は不当労働行為であるとして中央労働委員会に再審査申立(中労委27・51号)

11/1  2018・40号事件ですべて救済命令

夜勤手当差額是正をめぐる団体交渉への対応は不誠実と認定。組合は、理事長の団交欠席は不当労働行為であるとして中央労働委員会に再審査申立(中労委27・61号)

11/19 救済命令を受けての団体交渉で法人は態度を改めず

命令後、最初の団交で、法人は「労働委員会が命じる文書は手交するが謝罪はしない」と主張。新たに交渉委員となった現場事務長にも決定権がなく、労使関係は改善されず

2020年

2/24 大阪全労協に匿名メール

大阪全労協に「病院訪問看護師」から「助けてください」と匿名メール。連絡先が山本第三病院の代表電話だったため、匿名メールが山紀会支部に渡される。

3/13 A組合員に戒告処分

A組合員が匿名メールの件で休憩時間中に訪問看護師2名と面談したが、法人はその件を「業務時間中に他部署の職員を呼び出し混乱を与えた」と強弁して戒告処分を発令。反省文を書くことを指示。

3/17 A組合員への不当処分で労働委員会に救済申立(2020・13号)

3/末 コロナ対策をめぐって労使対立激化

病院の組合員からズサンなコロナ対策への改善要求あがる。ゾーン分けの徹底などの要求を、労務担当(代表交渉委員)は「コロナ差別」と言い放ち、法人は「医師会や老健協会などの指示に従っているので問題ない」と退ける。A組合員が反省文を提出しなければ、さらに処分(二重処分)すると通知

4/ 組合が「コロナ一時休戦」を提案。法人は提案を拒否

団体交渉の場で組合はコロナ対策にあたるため「一時休戦」提案を行うが、法人は回答書で「休戦提案」を拒否、A組合員に「反省文を一ヶ月以内に不提出の場合は懲戒処分(二重処分)する」と通知。

4/15 実効確保の措置申立

労働委員会で係争中の案件への二重処分をやめるよう実効確保の措置申立

4/20 組合が要請行動

ケアワーカーズユニオン、おおさかユニオンネットワーク、大阪全労協の三者連名で、西成区医師会、大阪府医師会、大阪府病院協会への要請行動。西成区の医師会参加病院へ要請書を送付。

5/14 労働委員会が文書要望

「これ以上労使紛争が拡大することのないよう慎重な対応に努められたい」と文書要望を労使双方に。

5/20 法人、懲戒処分を宣言

労働委員会の文書要望受け、法人は団体交渉で、「(文書要望は出たが)実効確保は却下されたので懲戒処分を進める」と宣言。

5/21 再度、実効確保の措置申立

6/1 法人がA組合員に減給処分を通知

6/2 労働委員会に、減給処分の救済申立(2020・22号)

6/11 労働委員会から法人に文書要望

文書要望をおこなったにもかかわらず、新たな労使紛争が生じたことは誠に遺憾

6/18 法人が損害賠償訴訟(スラップ訴訟)提訴

医師会への要請行動・要請文の配布を名誉毀損として、要請行動をおこなった3組合員個人に各110万円(計330万円)の損害賠償を請求

7/13 労働委員会に救済申立て(2020・27号)

名誉毀損・損害賠償請求訴訟は労組への支配介入にあたると申立て

(以降、コロナ対策をめぐる不誠実極まる団体交渉について連続して救済申立て)

8/13 不誠実団交で救済申立(2020・35号)

8/27 団交拒否で救済申立(2020・38号)

9/3  不誠実団交で救済申立(39号)

9/16 戒告処分をめぐる支配介入で救済申立(40号)。一部は併合

8~9月 山本第三病院でコロナのクラスター発生。

病院で働く組合員が罹患。情報伝達や検査体制の不備の改善、コロナ療養は有給休暇でなく労災申請し休業補償すること、…などの要求をあげて団体交渉をおこなうが、法人側の交渉体制では事実関係すらわからず、病棟のコロナ対策の決定権者を要求。一度だけ団交参加するが、追及を嫌い以降は拒否

 A組合員処分の根拠となった訪問看護事業所閉鎖

法人はパワハラをおこなったと訴えられた加害当人を交えた会議でパワハラはなかったと結論。以降、訪問看護師が次々退職

2021年

(コロナまん延下で団体交渉・スラップ訴訟裁判闘争を継続。山本第三病院でのクラスター発生をめぐって、病院で働く看護師たちが組合に加入し交渉が続く。PCR検査をめぐって、法人は、保健所が「濃厚接触者以外は絶対検査するな」と指示したので、検査は行わなかったと主張。現場の看護師たちの要求に耳を傾けず)

2/ 山本第三病院にコロナ病床設置

法人は山本第三病院にコロナ病床を設置して受け入れを始める。それに伴う看護師の要求、前年のクラスター発生問題などで団交を継続。団交開催スピードは鈍く、要求にはノラクラと答えず

3/25 山紀会争議支援の大阪春闘総行動

山紀会の労使間では解決できないとして春闘総行動の一環となる

5/3  ケアワーカーズユニオン山紀会支部を支える会結成

西成ふるさとの家にオンライン含め約70人が参加。本田哲郎神父が講演。現場組合員が報告。西成における介護や医療の重要性を踏まえ、西成の医療・介護のためにも、労働組合の団結を固めて労使健全化をめざすことを確認

7/ 法人代理人弁護士が交代

8/ 山本第一病院でパワハラ

組合脱退後、主任となった看護師(元病院分会長)が現役の病院分会組合員へパワハラ。団交の議題へ

8~ 中国人研修生寮の問題をめぐって住居環境改善要求

9/15 支える会が申し入れ行動

山紀会本部ならびに各施設への申入れ行動をおこなう

2022年

(第一病院パワハラや中国人研修生寮問題など、団体交渉はますます空洞化。法人代理人弁護士は、これら職場改善問題も「答える必要がない」と開き直る。他方、労働委員会の画期的命令が出る。損害賠償訴訟に組合が反訴)

5  支える会が西成宣伝行動

鶴見橋商店街と天下茶屋駅前で街頭宣伝。新年交流会

2/  中国人研修生の寮でクラスター発生。対応めぐって交渉

2/10 労働委員会、コロナ対応の団交について救済申し立て棄却

2/18  労働委員会、画期的命令

法人による、組合員個人3名に対する、名誉毀損損害賠償訴訟じたいが組合への支配介入・不当労働行為である

3/22  大阪春闘総行動

山紀会本部前に100名結集

4/ 法人が大阪府労委を提訴

損害賠償訴訟を不当労働行為と認定した大阪府労委命令の取り消し求める

6/2  スラップ訴訟の3被告が、反訴

9/3  労働委員会、コロナ不誠実団交で一部救済命令

組合は中労委に再審査申立

9/  法人が組合員に顛末書の提出を強要

すてーしょんでのクラスター発生について

12/  組合員3名の一時金減額。

12/  デイサービスへの応援を問題視

人員不足のためデイサービスを手伝っていた訪問介護科長(組合員)に対し、法人確認の上にもかかわらず禁止を通告

2023年

(職場の人手不足に乗じて、すてーしょん内の各部署間の相互協力を問題視し、疲弊と弱体化をはかる動きが強まる。スラップ訴訟は労働委員会の画期的命令が残る勝利的和解となった)

1/15  府労委命令取り消し訴訟に意見書を提出

西谷敏法学博士(大阪市立大学名誉教授)が、府労委命令取消訴訟に対して意見書を提出。後にスラップ訴訟でも提出される

1/26  法人が訪問介護事業の今後について通告

訪問介護事業の収支状況がよくないため改善なければ閉鎖を検討

2/24  スラップ訴訟証人尋問

理事長の証人尋問だったが、一度「コロナ後遺症で裁判所に行けない」と繰り延べ、この日も「緑内障で裁判所に行けない」と出廷を拒否。代わって証人となった副理事長は、労働委員会命令が出たことも、なぜ被告3名個人を訴えたのかも「知らない、分からない」と答えられず、裁判長が理事長の出席を求めるが拒否。裁判長は和解協議を強く主張するに至った。

3/10  グループホームの縮小を決定

3名が退職した後、法人は人員補充せず、維持できないとして決定する

3/24 大阪春闘総行動

山紀会本部前に100名

5/9  中央労働委員会第2回調査(リモート)

5/11  スラップ訴訟 勝利和解!!

法人は組合員3名個人に対する損害賠償請求と、大阪府労委命令の取り消しを求める訴訟をとり下げ。組合は法人に対する反訴を取り下げ。その結果、「組合員個人を被告とする損害賠償請求訴訟じたいが不当労働行為にあたる」とする労働委員会命令が確定

6/9  労働委員会が処分取り消し命令

A組合員処分(2020年春)は不当労働行為であるとして、取消しを命令。法人は異議申し立てせず、不当処分は撤回

9/5 命令履行に関する団交

法人側交渉員は、2020年(不)第13号事件、第22号事件、第35号事件、第40号併合事件の命令について、命令の主文をただ読むだけで誠意ある反省を示さず、いつものように論点をずらしたり、挑発的言動を続けて態度を改めず

10/17 中労委和解協議が決裂

9月5日の団交での法人の言動を理由に組合は和解を拒否

12/10 組合役員への一時金差別

支部長、副支部長に対して、二年連続で冬期一時金を減額。組合は、組合役員への不利益取扱として抗議申し入れ

2024年

3/22 組合員役員への一時金、定昇差別、団交拒否で救済申立、(2024・13号)

5/9 支部長の異動案を提示

法人が事務折衝で支部長の異動案を提示。理由は団交で述べると明らかにせず

5/13 支部長への異動案は、組合解体を狙ったものとして抗議申入れ

5/30 組合、中労委再審査申立を取り下げ(中労委27・61号)

6/3  支部長への異動案について救済申立 (2024・23号)

6/20 「決定事項」を説明するとして2名ずつ個別呼び出し

「訪問介護の運営について法人の決定事項を訪問介護の職員に説明します」と個別呼び出し

6/24 個別呼び出しは協定違反と団交申し入れ

個別呼び出しは協定違反。事前協議約款にもとづく協議を求め、個別の面談には応じない旨の団交申入書を提出

6/24 法人、個別面談に応じない場合は「業務命令違反」と通告

「これに従わない場合は業務命令違反となります」

6/25 訪問介護及び組合解体を狙った「縮小・閉鎖」に対して抗議及び団交申入書提出

6/26 「訪問介護縮小、閉鎖」「業務命令違反」通告について労働委員会へ救済申立(2024・32号)

6/28 団体交渉

支部長異動の理由は団交で説明するとしていた法人は提案を準備せず、「訪問介護縮小、閉鎖」について個別に説明したい一点だったが、組合の強い要求によって、組合との事前協議を検討すると持ち帰る

7/2 支える会が西成宣伝行動

鶴見橋商店街と天下茶屋駅前で「訪問介護縮小、閉鎖」に反対する街頭宣伝