愛仁会パワハラ裁判の経過

 島本有紀子さん(仮名)は大阪市西淀川区、社会医療法人愛仁会、千船(ちぶね)病院の看護師です。

職場でのパワハラ

2018年4月~ 異動してきた上司(主任看護師)によって、すれ違うたびの挨拶をはじめ、業務に関するコミュニケーションも一切拒絶される。話しかけても無言で立ち去る、電話にも出ないなど、パワハラのために、島本さんは人手不足の過密労働の中、意思疎通や協働ができず、医療過誤のリスクも激増して、異常な緊張を強いられる。
2018年6月チームリーダーから黙って外される。ストレスにより耳の疾患を発症。
2018年7月同僚には支払われる残業代が島本さんには支払われない。
2019年1月耳の疾患を発症したことを知りながら、イヤホンの必要な仕事を指示するなど、数々のパワハラが繰り返される。
2019年1月極度の心理的圧迫によって精神疾患と診断され、やむなく休職。

法人による二次被害

2019年1月  精神疾患の診断書を提出し、千船病院看護部長に相談すると、退職勧奨としかとれない発言をされる。
2019年2月愛仁会本部ハラスメント相談窓口に相談。対応した看護特任理事(看護師の最高責任者)から、事実関係も調査しないうちに「私も○○医師と犬猿の仲なんです」と、よくある人間関係であるかのように言われる。
2019年6月愛仁会本部に対して、改めてハラスメントを申立てる。
2019年9月愛仁会の人事部長から、申告したパワハラについて「法人がすべて認めるので、おそらく労災認定される」「認定されなくても、法人が直近3 カ月分の給料の平均を支払う」と説明があり、労災申請を勧められる。しかし、不認定になると、「そんな発言の事実はない」「不認定なのだから職場起因ではない」と態度を一変させる。
(背景に、精神障害による労災の認定率が、自殺(未遂含む)以外では著しく低いという残念な現実があります)。
2019年10月職場の窓口を通じた解決の道を絶たれため、労働組合に加入するが、愛仁会は団体交渉に誠実に応じず、「これ以上やりたいなら裁判しかない」と一方的に話し合いを決裂させる。
2021年7月パワハラ加害者と社会医療法人愛仁会に対して、ハラスメントの事実究明と愛仁会の企業責任を求めて提訴。
現在裁判継続中